大腸ポリープ
大腸ポリープ

大腸ポリープとは、大腸の内側の粘膜がイボのように盛り上がってできる病変のことを指します。多くは無症状で、健康診断や大腸カメラ検査で偶然見つかります。
ポリープは大きく、がん化の可能性がある「腫瘍性ポリープ(腺腫やがん)」と、基本的にがん化しない「非腫瘍性ポリープ」に分けられます。
大腸がんの多くは、腺腫と呼ばれる良性ポリープが時間をかけて徐々に悪性化することで発生します。そのため、ポリープの段階で発見し切除することが、大腸がんの予防につながります。
大腸ポリープの明確な原因は一つではありませんが、加齢に伴う粘膜の変化や、食生活(脂肪分の多い食事、食物繊維不足)、喫煙、飲酒などの生活習慣が関与すると考えられています。
また、遺伝的な要因も重要です。家族に大腸ポリープや大腸がんの方がいる場合、発症リスクは高くなることが知られています。特に、家族性大腸腺腫症やリンチ症候群などの遺伝性疾患では、若年からポリープやがんが発生することがあります。
大腸ポリープはほとんどの場合、自覚症状がありません。特に小さなポリープでは、症状が出ることはほぼなく、検査を受けない限り気づくことは困難です。
一方で、ポリープの位置や大きさによっては症状が現れることもあります。肛門に近いポリープでは血便や粘液便がみられることがあります。また、非常に大きなポリープでは腸の通り道が狭くなり、腹痛や便通異常、まれに腸閉塞を起こすこともあります。
家族歴がある方や、血便・便が細い・腹痛などの症状がある場合には、早めの検査が重要です。
大腸ポリープは無症状であることが多いため、検診が重要です。一般的には、まず便潜血検査が行われ、陽性の場合に精密検査として大腸内視鏡検査が行われます。
大腸内視鏡検査では、肛門から内視鏡を挿入して大腸内を直接観察し、ポリープの有無や形、大きさを詳細に評価します。さらに、必要に応じてその場で切除や組織採取が可能です。
当院では、オリンパス社の最上位クラスの内視鏡システム(EVIS X1)を導入しており、特殊光を用いた観察や拡大内視鏡機能を活用することで、ポリープの表面構造や血管のパターンを詳細に評価しています。これにより、腫瘍性ポリープかどうか、がんの可能性や深さの評価をより高い精度で行うことが可能です。
さらに、必要に応じて色素を用いた色素内視鏡観察を併用し、微細な変化も見逃さないよう精密な診断を行います。最終的な診断は、切除した組織を顕微鏡で調べる病理検査によって確定します。
大腸ポリープの多くは、内視鏡によって切除することが可能です。治療はポリープの大きさや形、がんの可能性に応じて選択されます。
一般的には、6mm以上の腺腫や、内視鏡で切除可能な早期の大腸がんが治療の対象となります。
一方で、5mm以下の小さなポリープは経過観察となることもありますが、形状や性状によっては切除が勧められます。
コールドスネアポリペクトミー
(Cold Snare Polypectomy:CSP)
近年、特に5~10mm程度までの小さなポリープに対して広く行われている方法です。スネアという輪をかけて、電気を使わずにそのまま切除します。
熱を使わないため、腸へのダメージが少なく、穿孔や遅発性出血のリスクが低いことが特徴です。安全性が高く、現在では小さなポリープの標準的治療となっています。
ポリペクトミー
茎のあるポリープに対して行われる方法で、スネアをかけて高周波電流を流しながら切除します。確実に切除できる一方で、通電による組織への影響があるため、症例に応じて適応が判断されます。
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
平坦なポリープややや大きめの病変に対して行われます。粘膜の下に薬液を注入して病変を持ち上げ、その後スネアで切除します。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
より大きな病変や、がんの可能性が高い病変に対して行われる高度な治療です。粘膜を切開し、粘膜下層を剥がしながら病変を一括で切除します。
一括切除が可能なため、正確な病理診断ができ、再発リスクを低く抑えることができますが、技術的難易度が高く、処置時間も長くなります。
がんが粘膜内にとどまっている場合は、内視鏡治療のみで根治が期待できます。しかし、粘膜下層まで深く浸潤している場合には、リンパ節転移のリスクがあるため、追加の外科手術が必要となることがあります。
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