胃がん
胃がん

胃がんは、胃の内側の粘膜から発生する悪性腫瘍です。日本では依然として罹患数の多いがんの一つであり、男女ともに発症がみられます。
日本において、2021年に新たに胃がんと診断された人は112,881例で、
の罹患数となっています。
また、2024年の胃がんによる死亡数は37,867人で、
となっており、現在でも主要ながんの一つです。
一方で、胃がんの罹患率・死亡率はいずれも長期的には減少傾向にあります。これは、ピロリ菌感染率の低下や除菌治療の普及、検診や内視鏡検査による早期発見の効果によるものと考えられています。
年齢別では、胃がんは50歳以降で増加し、高齢になるほど発症率が高くなることが知られています。これは、長年にわたる慢性炎症などの影響が蓄積するためと考えられています。
また、日本人では欧米と比較して胃がんの発症が多いことも特徴です。
胃がんは進行度により「早期胃がん」と「進行胃がん」に分類されます。早期胃がんは粘膜または粘膜下層にとどまる状態で、この段階で発見されれば内視鏡治療による根治が期待できます。一方で、進行すると手術や薬物療法が必要となる場合があります。
このように、胃がんは現在でも頻度の高い重要ながんですが、適切な検診と内視鏡検査により早期発見・治療が可能ながんでもあります。
胃がんの発症には複数の要因が関与しますが、最も重要とされているのは以下です。
胃がんの最大のリスク因子です。長期間の感染により慢性胃炎が続き、萎縮性胃炎や腸上皮化生といった変化を経て、胃がんが発生しやすくなります。
塩分の多い食事、喫煙などは胃がんのリスクを高めることが知られています。
加齢とともに胃がんの発症は増加しますが、これは長年の炎症などの影響が蓄積するためであり、「原因」というよりはリスクが高まる背景因子とされています。
また、一般的な胃がんにおいて遺伝の影響は限定的とされていますが、まれに遺伝性の胃がんも存在します。
胃がんは早期の段階では自覚症状がほとんどありません。
進行すると以下のような症状が現れることがあります。
これらは胃炎や胃潰瘍でもみられる症状であり、症状だけでの判断は困難です。
胃がんの診断に最も重要な検査です。胃の粘膜を直接観察し、がんが疑われる部分を確認します。
必要に応じて組織を採取(生検)し、顕微鏡で詳しく調べることで確定診断を行います。
がんと診断された場合、治療方針を決定するために以下の点を評価します。
主に以下の検査が行われます。
がんの深さと転移の有無が、治療方針を決定する上で最も重要な要素となります。
現在の標準的な治療法です。
病変の周囲を切開し、粘膜下層を剥離して病変を一括で切除します。
ESD(は、比較的大きな病変であっても一括で切除することが可能な治療法です。一括切除ができることで、切除した組織を正確に病理診断することができ、がんの広がりや深さをより正確に評価できます。その結果、治療の確実性が高まり、再発のリスクを低く抑えることができます。
病変の下に液体を注入して持ち上げ、スネアで切除する方法です。比較的小さな病変に適しています。
内視鏡切除後の病理結果により、追加治療が必要となる場合があります。
このような場合には、追加で外科手術が検討されます。
内視鏡治療の対象とならない場合や、リンパ節転移の可能性がある場合には手術が行われます。
進行がんや再発がんに対しては、薬物療法が行われます。
胃がんは、ピロリ菌の除菌や生活習慣の改善により発症リスクを低下させることが可能です。
しかし、完全に防ぐことは難しく、最も重要なのは早期発見です。
そのためには、
が重要です。
当院は、鹿児島市の胃がん検診(胃内視鏡検査)を行っています。
また、胃がん検診後の精密検査医療機関です。
次のような症状がある場合は、検診ではなく医療機関での精密検査が必要です。
また、症状がなくても以下の方は定期的な検査が重要です。
一般的には50歳以上の方で2年に1回の検診が推奨されています。リスクが高い方はより定期的な検査が必要です。
バリウム検査はスクリーニング検査ですが、確定診断はできません。また、微小な病変は内視鏡検査の方が診断できます。
リスクは低下しますが、完全に防ぐことはできません。除菌後も年1回の定期的な検査が推奨されています。
はい。胃がんは初期には症状が出にくいため、早期発見には胃がん検診や人間ドックでの健診を受けることが大切です。
胃がんは、ピロリ菌感染などを背景として発症し、完全に防ぐことは難しい病気です。しかし、検診や内視鏡検査により早期に発見することで、体への負担が少ない治療が可能になります。
症状の有無に応じて適切に検査を受けることが、胃がん対策として最も重要です。
当院では消化器内視鏡専門医が、最新の内視鏡機器を用いて、精度の高い検査を行っています。また、鎮静剤を用いて苦痛を最小限に抑えた検査を行っておりますので、異常を放置せず、お早めにご相談ください。
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