ヘリコバクター・ピロリ感染症
ヘリコバクター・ピロリ感染症

ヘリコバクター・ピロリ感染症とは、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)が胃の粘膜に感染し、慢性的な炎症を引き起こす病気です。ピロリ菌は胃酸の中でも生存できる特殊な性質を持ち、胃の中に長期間とどまります。感染しても初期には自覚症状がないことが多く、知らないうちに感染が持続していることも少なくありません。
この慢性的な炎症は、時間の経過とともに胃の粘膜を傷つけ、さまざまな疾患の原因となります。特に重要なのは、ピロリ菌が胃がんの最大の原因であると考えられている点です。
ピロリ菌感染は、胃がんだけでなく多くの疾患の原因となります。代表的なものとして以下が挙げられます。
特に胃潰瘍や十二指腸潰瘍は再発を繰り返しやすく、ピロリ菌が存在する状態では再発率が高くなります。しかし、除菌治療によって再発は大幅に抑えられることがわかっており、根本的な治療として除菌が重要です。
ピロリ菌に感染すると、胃の粘膜では慢性的な炎症が続き、やがて萎縮性胃炎へと進行します。さらに進行すると腸上皮化生を経て、最終的に胃がんが発生することがあります。ピロリ菌陽性は「胃がんになりやすい状態」を意味しており、適切な評価と対策が重要です。
ピロリ菌感染の診断には、以下のような方法があります。
いずれの検査も100%ではありません。
また、ピロリ菌陽性の場合には、胃の状態を確認することが非常に重要です。胃カメラでは、萎縮性胃炎や胃がんの有無を直接確認できます。胃カメラの結果と抗体検査、尿素呼気試験の結果と合わせて総合的に現在の感染状態を診断します。除菌治療前には必ず行うべき検査です。
ピロリ菌の治療は「除菌治療」が基本です。通常は胃酸を抑える薬と2種類の抗生物質の3剤を1日2回、7日間内服します。これを一次除菌といい、約70~90%の方で成功します。
治療終了後は、4週間以上あけて尿素呼気試験や便中抗原検査により、除菌が成功したかを必ず確認します。薬の飲み忘れや自己判断による中断は、除菌失敗や耐性菌の原因となるため、指示通りの内服が重要です。また、ペニシリンアレルギーのある方や他に内服薬がある方は、事前に医師へ相談が必要です。
一次除菌で成功しなかった場合は、抗生物質を変更して再度治療(二次除菌)を行います。二次除菌でも約80~90%の方が成功します。それでも除菌できない場合には、自費での三次除菌を行うことがあります。
当院では、三次除菌、ペニシリンアレルギーの患者様に対する自費での除菌治療を行うことができます。詳しくはこちら
除菌に成功しても、胃がんのリスクが完全にゼロになるわけではありません。特に萎縮性胃炎がある場合には、除菌後もリスクが残ります。そのため、定期的な胃カメラ検査によるフォローが重要であり、一般的には年1回程度の検査が推奨されます。
ヘリコバクター・ピロリ感染症は、胃の慢性炎症を引き起こし、胃がんや潰瘍などさまざまな疾患の原因となる重要な病気です。ピロリ菌陽性と診断された場合には、胃カメラによる評価を行い、適切な除菌治療を受けることが大切です。また、除菌後も定期的な検査を継続することで、胃がんの予防と早期発見につなげることができます。
当院では、ヘリコバクターピロリ感染症に対して、消化器内視鏡専門医による丁寧な診察と、精密で苦痛の少ない内視鏡検査、正確な診断、治療を行っています。
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