便潜血検査(大腸がん検診)で陽性といわれた方へ
便潜血検査(大腸がん検診)で陽性といわれた方へ

便潜血検査は、便の中に肉眼では確認できない微量の血液が混じっていないかを調べる検査です。大腸がん検診として広く行われており、症状が出る前の段階で異常を見つけることを目的としています。
陽性と判定された場合は、どこかで出血している可能性があるという意味であり、原因を調べる必要があります。陽性だからといって必ず重大な病気があるとは限りませんが、検査結果として見過ごしてよいものではありません。
便潜血検査はあくまで異常の可能性を拾い上げるための検査であり、確定診断を行うものではありません。そのため、陽性となった場合には原因を直接確認するための精密検査が必要となります。
精密検査として行われるのが大腸内視鏡検査です。便潜血検査をやり直すことで陰性になることもありますが、それによって病気が否定されるわけではありません。出血が一時的に検出されなかっただけの可能性もあるため、再検査ではなく内視鏡検査を受けることが大切です。
また、便潜血陽性であっても自覚症状がない方は少なくありません。実際には症状のない段階で大腸がんやポリープが見つかることも多く、検診がきっかけで発見されることもあります。症状がないことを理由に様子を見るのではなく、適切に精密検査を受けることが重要です。
便潜血陽性の原因にはさまざまなものがあります。比較的よくみられるものとしては、痔や大腸憩室出血などがありますが、大腸の炎症による出血や、ポリープ、さらには大腸がんが原因となることもあります。
なかでも注意が必要なのは、大腸がんおよびその前段階である腺腫性ポリープです。これらは早期には自覚症状が乏しく、便潜血検査がきっかけとなって発見されることが少なくありません。
国立がん研究センター のがん統計(2019年)によると、大腸がんは日本人にとって非常に身近ながんです。
罹患数は男女ともに第2位であり、多くの方が発症する可能性のある疾患です。また死亡数では男性で第2位、女性では第1位となっており、特に女性では最も多いがん死亡原因となっています。
このように大腸がんは頻度が高く、見逃すことのできない重要な疾患です。
大腸がんは、初期には症状がほとんどないことが大きな特徴です。進行すると血便や便通異常、腹痛、貧血などがみられることがありますが、これらの症状が出る頃には病気が進んでいる場合もあります。
多くの大腸がんは、腺腫と呼ばれる良性ポリープが徐々に大きくなり、時間をかけてがんへ進行すると考えられています。そのため、ポリープの段階で見つけて切除することが、がんの予防につながります。
大腸がんは、早期に発見されれば治療成績の良いがんです。
国立がん研究センター の院内がん登録データでは、大腸がん全体の5年生存率はおよそ70%前後とされていますが、早期がんでは90%以上と報告されています。
つまり、症状が出る前の段階で見つけることができれば、高い確率で治癒が期待できます。一方で、進行した状態で発見されると治療が難しくなることもあるため、早期発見の重要性は非常に高いといえます。
大腸内視鏡検査では、肛門から内視鏡を挿入し、大腸の粘膜を直接観察します。これにより、出血の原因となっている病変の有無や位置、形状を詳細に確認することができます。
必要に応じて組織を採取して病理検査を行うこともでき、診断の精度が高い検査です。また、小さなポリープや早期のがんも見つけることができるため、便潜血陽性時の精密検査として最も重要な検査とされています。
大腸ポリープの中でも腺腫は、将来的にがんへ進行する可能性があります。そのため、発見された場合には切除が推奨されます。
大腸内視鏡検査では、ポリープをその場で切除することが可能です。小さなポリープであればスネアと呼ばれる器具を用いて切除する方法が一般的であり、病変の大きさや形状に応じて適切な方法が選択されます。
これらの治療は開腹手術を必要とせず、多くの場合は日帰りで対応可能です。ポリープを切除することで、大腸がんの発生を予防する効果が期待できます。
便潜血陽性と判定された場合は、できるだけ早めに医療機関を受診し、大腸内視鏡検査についてご相談ください。特に血便や便通の変化、腹痛などの症状がある場合には、早期の受診が重要です。
便潜血検査で陽性となった場合には、原因を確認するために大腸内視鏡検査を受ける必要があります。
大腸がんは頻度の高い疾患でありながら、早期に発見されれば治療が可能です。症状がない場合でも安心せず、適切な精密検査を受けることが大切です。
当院では消化器内視鏡専門医が、最新の内視鏡機器を用いて、精度の高い検査を行っています。また、鎮静剤を用いて苦痛を最小限に抑えた検査を行っておりますので、異常を放置せず、お早めにご相談ください。
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